ユーザーインターフェイス (UI) やメッセージの翻訳に必要なこと

製品マニュアルに代表されるようなまとまった文書の翻訳と、アプリケーションのUIラベル(メニュー項目や設定項目を表す文字列)やメッセージ(エラーメッセージや注意を促すメッセージ)などのいわゆるリソースファイルの翻訳には、翻訳作業を行う上で何か違いがあるのでしょうか。その答えは「イエス」です。

いずれの場合にも、お客様からの問い合わせに対して、翻訳会社が内容を確認して最適な作業プランを提案することになるでしょう。基本的にお客様が内容によって発注時に何か特別なことをする必要はもちろんありませんが、UIラベルやメッセージの翻訳にあたっては、翻訳会社が作業の前に資料の提供をお願いしたり、作業の途中でお客様に質問をしたりすることが多くなるかもしれません。ここでは、その理由について説明します。

ユーザーと同じように、理解しながら読み進められる製品マニュアル

たとえば製品マニュアルの場合は、おおむね最初のほうに製品や機能の概要が記載されていて、読み進むにしたがって理解が深まったり具体的な使い方がわかってきたりする構成になっています。翻訳者が翻訳する場合も、1章から順に翻訳していけばその製品の機能や使い方がわかるので比較的に「理解しやすい(=翻訳が進めやすい)」ということができます。もちろん、そのマニュアルの専門性の度合い、専門用語や特有の概念、ユーザーの特性、機能の目的などに応じて調べ物をしながら進めていくことは必要ですが、翻訳者も翻訳を進めながら理解を深めていくことができます。

コンテキストが理解しにくいUIラベルやメッセージ

アプリケーションのUIラベルやメッセージは、リソースファイルをもとに翻訳します。リソースファイルはプログラムに組み込むために作られていますので、必ずしも人間にとってわかりやすい順番に並んでいるわけではなく、すんなりとは翻訳を進めることができません。また、UIラベルやメッセージは、すでに機能を理解しているユーザーにとって、もっともわかりやすい短い言葉で表現されていたり、ある状況下でのみ表示されたりする場合が多いので、そのソフトウェアを使用したことがない、またはあるメッセージが表示される状況がわからない翻訳者にとってはどう翻訳するのが最適かをすぐに判断することができません。また、言葉が短いために、翻訳者が状況を誤解していても気づきにくいという罠もあります。

このような場合には、翻訳者は想像力(?)と言語の知識を総動員して最適な翻訳になるよう努力しますが、その際には次のようなことが非常に役に立つというわけです。

  • コンテキスト情報:そのUIやメッセージの目的や場面に関する情報
  • 実際の製品やサービス:テスト用のライセンスや利用IDなどを提供していただき、実際に操作して確かめる
  • お客様の開発担当者様への具体的な質問が可能なこと
  • ユーザーマニュアルやオンラインヘルプ(ベータ版でも可)
  • 製品カタログやサービス概要などの資料

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