翻訳が必要になるたびに、見積りを複数の翻訳会社から取り寄せて、一番早く納品してくれるところ、または一番安いところを選んでいるご担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、これを繰り返して、果たしてお客様の満足度は向上するでしょうか。
少しでも安く、効率的に翻訳できるように、その都度、複数の翻訳会社に問い合わせて見積りを取り、最も良さそうな翻訳会社に依頼するのはいいことなのでは?と思われるかもしれません。この方法はメリットももちろんありますが、デメリットもあります。
メリット
- 一番安い料金を提示してくれる翻訳会社を探すことができる
- 一番短い納期で対応してくれる翻訳会社を探すことができる
- さまざまな翻訳会社を知ることができる
- 毎回あらたに見積りを取って比較するので、馴れ合いが生じにくい
デメリット
- 翻訳会社を変えるたびに、同じことを一から説明しなくてはならない
- 説明書、手順書、資料などを、分かりやすい形できちんと整備しておく必要がある
- 問い合わせなどへの対応が煩雑になる
- 訳文やDTPの品質が思ったとおりでない場合、修正対応や最終的な品質を期待できないことがある
原文の難易度が低く、量もそれほど多くなく、1回かぎりの単発案件で、できるだけ早く・安くという場合は、複数の会社から見積りを取り寄せて、最も条件に合う翻訳会社に決めるのも良いでしょう。しかし、たとえばすでに日本語化されているWebサイトを部分的に更新する場合や、専門知識を必要とする原文の場合、または今後バージョンアップの予定がある製品の説明書やUIなどは、特定の翻訳会社に継続的に発注することをおすすめします。取引を重ねることで、お互いに情報や知識が蓄積されていくので、効率的に依頼できるようになり、翻訳やDTPの品質も向上します。継続した付き合いによって信頼関係が構築されると、翻訳会社に多少の無理を聞いてもらえるようになるかもしれません。また、短納期化やコスト削減の相談にも乗ってもらえる可能性があります。
普段の生活でも、少しでも安い商品を求めてたくさんの店舗を回るのは、時間がかかり、少し安く買えたとしても効率的とは言えません。翻訳についても同じです。「翻訳会社ショッピング」を繰り返すよりも、信頼できる翻訳会社を見つけて、いい関係を作ってみませんか?お客様の担当者の負担が軽くなり、余力や時間をほかのことに使えるようになりますよ。