「日本でビジネスを展開するにあたり、外国語のカタログを日本語にしたい。今のところPDFファイルしかないのだが、これで見積りしてもらえるだろうか」というお問い合わせをいただくことがあります。
「急いで費用を知りたい」、「概算を見てから関係部署と検討したい」といった場合、PDFファイルだけでもだいたいの費用と作業日数を見積もることができます。(実際に翻訳する場合は、ソースファイル(PDFにする前のファイル)が必要になります。)
PDFファイルから翻訳の見積りに必要な情報を集める
PDFファイルしかない場合でも、見積りに必要な次の情報を確認することができます。
- 翻訳量(ワード数または文字数、翻訳言語に応じる)
- 翻訳対象の図の数と翻訳量
- ソースファイルの種類
それぞれの確認方法をご紹介します。
翻訳量(ワード数や文字数)を確認する方法
文字単位でテキストを選択できる場合は、翻訳量を簡単に確認できます。PDFファイルを開き、テキストを全選択してコピーし、それをWordファイルやテキストエディタにペーストして量を確認します。
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PDFファイルをdoc形式で保存できるアプリケーションもあり、それを使うとさらに簡単に確認できます。
文字がアウトライン化されていてテキストとして選択できない場合、この方法でワード数を確認することはできません。アウトライン化とはAdobe Illustrator、Adobe InDesignの機能で、レイアウトやフォントの表示が環境に左右されて壊れないようにするためにテキストを画像データに処理することです。
翻訳対象の図の数と翻訳量を確認する方法
画像の中の文言を翻訳する場合、その文言の翻訳に加えて、加工(画像の原文を訳文に置き換える)作業も必要になります。この場合、PDFファイル内に翻訳対象となる図や表があるかどうかを確認し、ある場合はその数と、翻訳が必要なだいたいのワード数または文字数を数えます。
PDFファイルのソースファイルの種類を確認する方法
PDFファイルは、多くの場合ほかの形式のソースファイルからPDF形式に変換して作られています。ソースファイルのアプリケーションの種類やバージョンによって、その翻訳会社で対応できるかどうかが変わるので、この情報を確認しておく必要があります。
PDFファイルを開き、[ファイル] メニューから [プロパティ] を開くと、「アプリケーション」のところでソースファイルのアプリケーション名が確認できます。

翻訳発注時にはソースファイルがあることが望ましい
翻訳、DTP、画像の加工といった作業は、PDFファイルだけではできないのでしょうか?
できないわけではありません。ただ、実際に翻訳を発注される際には、ソースファイルがあるのが望ましいです。多くの翻訳会社は、ソースファイルの設定やレイアウトを維持したまま翻訳できるツールを使用って作業します。ソースファイルを基にできない場合は、DTP作業をゼロから行う必要があるため、ソースファイルがある場合と比べて大幅に時間がかかったり、手作業が増えてミスが発生しやすくなったりする可能性があります。
翻訳対象のドキュメントに含まれている画像の翻訳や加工も行う場合は、.eps、.ai、.psdファイルなど、画像のソースファイルも提供していただけることが望ましいです。
