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時間がない!短納期で翻訳を発注するとどうなるの?

翻訳会社には、今日の夕方までに、明日の朝までに……という依頼がくることがあります。ごく少量であれば問題なく対応できることもありますが、少量でない場合はどうなるでしょうか。

1人の翻訳者が1日に翻訳できる量は、たとえば英日翻訳であれば1,500ワードから2,000ワードくらいと言われており、言語や分野によってだいたいの水準が知られています。英日翻訳の場合、1,500ワードを超える量を24時間以内に納品するとなると、かなりの短納期と言えます。

このように、通常よりも短い期間で翻訳を依頼すると、どのような影響があるのかを紹介します。

1. フローへの影響:イレギュラーな対応

翻訳のフローのなかで一番時間がかかるのは、翻訳者が翻訳する工程です。短納期であれば、少しでも早く翻訳に着手したいところです。そのため、翻訳会社は、お客様とスケジュールの合意がとれ次第ファイルを翻訳者に渡して翻訳を開始してもらいます。
このようなケースでは、見積や発注などの契約関連の処理は翻訳作業と並行して行うことがあります。本来は契約を結んでから翻訳を始めるべきなので、イレギュラーなフローと言えます。

2. 翻訳者/レビュアへの影響:工程の省略

翻訳者は自分の翻訳スピードを把握しているので、納期に合わせて可能な範囲で作業の進め方を調整することになります。短納期で時間がない場合は、見直しやチェックの工程を省くのが主な手段になります。つまり品質が落ちる可能性があるということです。
レビュアも同様で、時間があれば自分で調べて確認するところだが、時間がないのでお客様への申し送りにしよう、というような判断をすることがあります。
納期やその他の条件によっては、事前に合意をとったうえでレビューの工程を省くこともあります。

3. 品質への影響:最終的な品質はお客様が確保

先ほど説明したとおり、急いで翻訳するとそれなりに品質が低下するのが一般的です。
その場合、お客様によるレビューが重要になります。期限が短く、明確にいつまでと定められているようなものは、対外的に発表されるものであったり、重要なものであったりすることが多いので、普段よりも念入りに確認できるよう、お客様がレビューするための時間も念頭に置いておく必要があります。


お客様、翻訳会社、翻訳者の間に継続的な取引があり、信頼関係が築かれていれば、自然と各工程のスピードは上がっていくので、短い納期にも対応しやすくなります。そのような関係ができていることが理想ですが、実際にはそのように頻繁に翻訳を依頼する機会がないお客様のほうが多いと思います。

まとめ

短納期で翻訳を依頼する場合の注意点は2つあります。


・1人の翻訳者が通常のペースで翻訳できる量を超えると、品質の確保が急に難しくなります。
何か工夫できるところはないか、翻訳会社に相談してみてください。


・お客様によるレビューが重要になります。
ギリギリに納品されたものをそのまま公開…ということにならないように、お客様がレビューする時間を確保しておくことが大切です。

世の中には超特急案件にも対応可能とうたっている翻訳会社もありますが、そのようなサービスを利用する場合も、最終的な品質の確保はお客様が行うものと思って、レビューのための時間を見ておくとよいでしょう。

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