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翻訳会社に翻訳を発注する際に共有しておきたい情報

「翻訳を発注したので、あとはできあがりを待つだけ」と安心していたら、納品されたファイルを見て「これはこのままでは使えない…」となることがあります。

このような事態はなぜ起こるのでしょうか。

手直しの少ない翻訳会社を見つけるためのヒント」で、ニーズに合った翻訳会社を選ぶことが重要だと説明しました。

ここでは、その一つ先の段階、翻訳会社を選んで発注を決めたあと、納品される翻訳の修正をできるだけ少なくするために発注側ができることについて説明します。

翻訳作業の開始前に行うべき準備とは

翻訳の実作業に入る前に、発注者と翻訳会社が次のようなことをしておくと、希望する品質から大きく離れた訳文になってしまう可能性を低くすることができます。

  • 発注者から翻訳会社への情報提供
    1. 製品名、業界用語、頻出用語の指示
    2. サンプル記事の提示

  • 翻訳会社から発注者への確認、提案
    1. 用語や文章のスタイルの確認
    2. 分納スケジュールの提案

それぞれについて説明します。

発注者から翻訳会社への情報提供

翻訳対象の製品やその業界について一番詳しいのは、やはり発注者であるお客様です。翻訳作業の開始前に提供していただける情報の量によって、お客様がイメージする訳文とのずれを小さくすることができます。

1. 製品名、業界用語、頻出用語の指示

翻訳会社が翻訳する段階で、意外に手間がかかるのが、製品名や用語の表記の確認です。業界用語・頻出用語のリスト、翻訳対象物の旧版(ある場合)などの情報を翻訳会社に提供すると、細かい確認のやり取りを減らすことができます。

2. サンプル記事の提示

初めて取引するお客様、旧版のない新しい文書、初めてローカライズするWebサイトやソフトウェアなどは、どのようなトーンや表現がより好ましいか見極めるのも翻訳会社の悩みどころの一つです。文章のスタイルや言い回しなど、参考にできる資料やURLを提示していただけると、それにあわせて翻訳することができます。翻訳者は複数の資料から必要な情報を取捨選択して翻訳に取り入れるということを日常的にやっていますので、わざわざまとめた資料を作らなくても、翻訳に上手に反映することができます。

翻訳会社から発注者への確認、提案

手直しの少ない訳文を納品するためには、もちろん、発注者だけでなく翻訳会社からのはたらきかけも必要です。翻訳会社で行う確認や提案には、次のようなものがあります。

1. 用語や文章のスタイルの確認

翻訳会社は、発注者から提供された資料に基づいて作業を進めますが、作業の初期段階では用語や表現、文章のスタイルについて、疑問や確認事項が生じることがよくあります。そのような場合は、翻訳会社から発注者に確認を取ったり、どのように対処できるのかを提案したりすることがあります。これらの確認や承認が初期段階で十分に行われていると、以降の作業が非常にスムーズになります。

2. 分納スケジュールの提案

翻訳量がかなり多く、日数もかかるプロジェクトでは、いくつかのファイルや一部の章を先に翻訳して、発注者に品質や文章のトーンを確認していただくことがあります。その結果(フィードバック)を踏まえて残りのファイルを翻訳すると、発注者のイメージと納品される翻訳の質が大きく食い違う事態を防げます。プレゼン資料やWebサイトなど、言い回しや表現に注意が必要なコンテンツや、繰り返しが多い大量の文書などはこのような方法が有効です。

まとめ

手直しの少ない訳文を作るためには、発注者と翻訳会社の双方が、翻訳を開始する前に情報を提供・要求し、疑問がある場合は早めに解消することがポイントになります。作業前に少しの手間をかけることで、納得できる翻訳に近づけることができます。

どのような準備をすればよいのか、どのような情報が必要なのかは、翻訳会社に問い合わせてみてください。

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