サムネイル

訳文の一貫性は文書の信頼性を左右する(1) スタイルガイドとは

表記や言い回しの一貫性ってそんなに重要でしょうか。
読めばわかるだろうし、伝わればよいのでは?

そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
たとえば同じ文書内で、ある章では「サーバ」、別の章では「サーバー」と表記されている場合を思い浮かべてください。これだけでは一見大きな問題ではないように思えるかもしれません。しかし、このような用語をはじめとする表記や言い回しに一貫性がない文書は、文書そのものに対する信頼感を損なう場合があります。ひいては製品や企業のイメージにまで影響するかもしれません。

スタイルガイドという基準書を活用すると、翻訳文書全体の表記や言い回しの一貫性を保ち、より読みやすい、信頼感のある文書にすることができます。

スタイルガイドとは、文書を作成するうえで表記や文体などの一貫性を保持するためのガイドラインです。学術論文や新聞・雑誌の執筆、プログラミング言語の記述など、翻訳以外の分野でも使用されることがありますが、ここでは特に翻訳業界で使用されるスタイルガイドについて説明します。

今回は、スタイルガイドにあまりなじみがないという方に、スタイルガイドがどのようなものかをイメージしていただければと思います。インターネット上で公開されている翻訳用のスタイルガイドがありますので、2つご紹介いたします。すべて読むのはたいへんですから、ざっと目を通して、どのような内容なのかを確認してみてください。

日本翻訳連盟様作成のスタイルガイド

Microsoft社のスタイルガイド(日本語を選択してダウンロード)

これ以外にも、翻訳を発注される各クライアント企業で独自にスタイルガイドを用意していることもあります。ボリュームもさまざまで、数ページのものから数十ページ、中には100ページを超えるものまであります。IT翻訳ではスタイルガイドを使用することが多く、シーブレインでも、スタイルガイドを使用していないお客様には、スタイルガイドを有効に活用することをご提案しています。

スタイルガイドを使用することのメリットや活用方法、記載する内容、効果的な運用方法などは、別の記事でご紹介します。たかがスタイル、されどスタイル。これによって文書全体に対するイメージがだいぶ違ってきます。一貫性のある文書にすることで、読み手の信頼をつかんでいきましょう。

関連記事: (2) スタイルガイドを使用するメリット

Copyright © C-brains Corporation.