スタイルガイド活用法: 翻訳文の一貫性はその文書への信頼性を左右する~第2回 スタイルガイドを使用するメリット~

スタイルガイドの活用方法に関する記事の第2回になります。
過去の記事についてはこちらをご覧ください:第1回 スタイルガイドとは

第1回ではスタイルガイドの概要について簡単にご説明しましたが、今回はスタイルガイドを使用するメリットについて考えてみたいと思います。

スタイルガイドは、文体や表記など、スタイルに関するルールを定めたものです。スタイルにルールがなかったらどうなるでしょうか。複数の翻訳会社に翻訳を依頼した場合に、各社でスタイルがバラバラになってしまうことが考えられます。

具体的に考えてみましょう。スタイルガイドによく記載される項目の1つに、「カタカナ複合語の表記」に関するルールがあります。これは、「グラフィック ユーザー インターフェイス」のように、複数のカタカナ語がつながる言葉の表記方法を定めたルールです。よく使われるルールに次のようなものがあります。

fig_20161005.pngどれでも意味は通じますが、同じ文書内やWebサイト上に異なる表記が混在していたら読み手の混乱を招く恐れがあります。そのため、文書全体としてはいずれか1つの表記方法を採用することが望ましいのですが、表記方法に関する共通のルールがない状態で複数の翻訳会社に発注すると、翻訳会社ごとに異なる表記となってしまうことが懸念されます。

スタイルガイドであらかじめルールを定め、それに従うよう翻訳会社に伝えておけば、複数の翻訳会社に発注した場合でも、このような表記の「揺れ」を防ぐことができます。

このような点から、スタイルガイドを利用すると以下のようなメリットがあると言えます。

文書全体の信頼性がアップする

同じ文書の中に異なる表記が混在していると、読み手の信頼性を損なう恐れがあります。読み手に、「細かい点に気を配れない企業」という印象を与えてしまうかもしれません。また、表記が気になって内容に集中できなくなることも考えられます。スタイルの一貫性を保つことは、読み手が無意識に求めている最低ラインの品質を確保することと言えるかもしれません。

翻訳プロセスが効率化され、品質の向上につながる

初めから共通のルールを使用することにしておけば、翻訳の段階で翻訳会社がスタイルについて迷うことがありませんので、確認作業や修正作業が不要になり、発注者と翻訳会社双方の手間が省けます。翻訳会社は訳文の正確性や日本語表現のブラッシュアップに力を注ぐことができ、発注者側は内容のレビューに集中することができるので、全体的な品質の向上にもつながります。

現在スタイルガイドを使用していない方はぜひ導入を検討してみてください。次回は、実際にスタイルガイドを作る場合に、どのような内容を載せればよいのか、何に注意すればよいのかなどの点についてご説明したいと思います。

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