Webサイトは、お客様にとっては企業やブランド、製品やサービスの「顔」といえるものです。その内容は、顧客の心をとらえるフレーズや、製品やサービスの特長を効果的に伝えるための説明、Webサイト内をストレスなく操作するためのユーザーインターフェイス(メニュー、ボタン、タブなど)のラベルなどが含まれています。Webサイトは、お客様のビジネスを大きく左右する可能性がある大切なコンテンツであり、その翻訳の品質もとても重要な要素となります。
1. 原文データと参考資料
Web サイトのコンテンツは、お客様がそれをどのように管理されているかによって、翻訳会社にどのような形式で翻訳してほしいかが変わってきます。htmlファイル、xml ファイル、Microsoft WordやExcelで作成した対訳形式の表など、お客様が後処理しやすい形式のファイルをご提供ください。CMS(コンテンツ管理システム)を使用されているお客様の場合、CMSからエクスポートしたデータ(xml形式であることが多い)をご用意いただくこともあります。
いずれの形式でも、翻訳会社では適切な処理を行って、翻訳支援ツールを使用して翻訳を進めます。たとえば、Webサイトに含まれる次のようなことばの翻訳が必要だとします。
Webサイトには短いフレーズが多く使われるため、原文だけを見て訳文を考えるよりも、実際のレイアウトや前後関係を確認しながら進める方が、より精度の高い翻訳になります。
原文のWebサイトがすでに公開されている場合は、そのURLもご提供いただけると実際にどのように表示されるのかを確認しながら翻訳することができます。また、まだ公開されていない場合は、公開前のステージングサイトへのアクセス権を付与していただいたり、スクリーンショットなどを提供していただいたりすることもあります。
また、製品やサービスに関する情報など、そのWebサイトの内容に関連する情報や、翻訳のトーンなどについてもお客様のご要望を前もってお知らせいただくとよいでしょう。
上記の表にある「NEW」を例にとると、訳文は「新製品」かもしれませんし、「ニュース」や「最新情報」かもしれません。アイコンとして使われているテキストだったとしたら「NEW」のまま残す方が適切である可能性もあります。
2. 翻訳会社による翻訳とお客様レビュー
原文と参照資料をもとに翻訳会社が翻訳したら、お客様にレビューをしていただきます。先ほどの例では、翻訳会社は次のように翻訳して納品したとします。
お客様には、翻訳がWebサイトの目的に合ったものになっているかどうかを改めて確認していただきます。
お客様が確認した内容を翻訳会社に効果的にフィードバックする方法については、「翻訳会社への「フィードバック」、していますか?」もご覧ください。
お客様が内容を吟味した結果、最終的に次のような訳文を使用することになることもあります。
この例で扱ったのは短いことばでしたが、実際のWebサイトには、たとえば問い合わせをしてもらう、SNSで記事をシェアしてもらう、製品を深く理解してもらう、イベントに来場してもらうなど、さまざまな目的のコンテンツがあります。翻訳会社としても腕の見せどころとなる、やりがいのあるしごとの一つです。