今回は、データシート(製品紹介資料)を翻訳する場合の所要期間の例をご説明します。これは、内容や翻訳会社の状況によって変わることをあらかじめご承知おきください。この記事では、1営業日を8時間として考えています。
データシートとは
一般に、データシートとは、ハードウェアやソフトウェアなどの製品の仕様や特徴がまとめられたドキュメントです。概要が記された1~2ページのもの、詳細な解説を含む数十ページの冊子など、さまざまな形式があります。ここではIT系ソフトウェア企業のお客様からよくご相談いただく「レターまたはA4サイズ、両面刷り1枚のpdfファイル」をイメージして進めます。展示会で配布したり、営業担当者が製品を紹介したりするために使われる資料です。

今回は、.docxファイルや.inddファイルなど、.pdfの生成元のファイル(ソースファイル)をお客様から提供していただいているものとします。
| 内容 | 製品の仕様や特徴 |
|---|---|
| 形式 | pdf(.docxや.inddファイルから生成) |
| 大きさ | A4 |
| 枚数 | 2枚(両面刷りで1枚) |
データシートの翻訳の準備に必要な時間
準備工程では、データシート内に、翻訳支援ツールで認識できない文字を含む画像が含まれているかどうかを確認し、ある場合は文字を抽出します。必要な前処理を行い、ファイルを解析して作業量を確認します。この作業は1時間程度で完了します。
データシートの翻訳・チェックに必要な時間
上記のようなデータシートの標準的なワード数は約1,000ワードです。こちらの記事でご紹介しているとおり、翻訳者1人が1日に翻訳できるワード数は1,500~2,000ワードなので、翻訳とチェックはそれぞれ1営業日で完了します。合計で2営業日になります。
データシートのDTPに必要な時間
表裏1枚のデータシート(.docx、.indd)のDTPにかかる時間は、長くて1営業日程度です。
データシートの最終仕上げに必要な時間
お客様による翻訳やレイアウトのチェックに関する指摘の反映は、修正後の確認を含めて2時間とします。
まとめ
ここまでをまとめると、レターまたはA4サイズ、表裏1枚のデータシートの翻訳プロジェクトに必要な日数は、翻訳会社側では最短7営業日になります。
| 順番 | 工程 | 担当 | 所要日数 (単位は営業日) |
備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ファイル・資料の確認 | 翻訳会社 | 発注時点で完了 | |
| 2 | 見積りの作成 | 翻訳会社 | ||
| 3 | 見積りの確認 | 発注者 | ||
| 4 | 準備作業 | 翻訳会社 | 3 | |
| 5 | 翻訳・レビュー、確認事項の申し送り | 翻訳会社 | ||
| 6 | 翻訳のチェック・確認事項への回答 | 発注者 | ||
| 7 | 修正の反映 | 翻訳会社 | 2 | |
| 8 | DTPファイル作成 | 翻訳会社 | ||
| 9 | DTPチェック | 発注者 | ||
| 10 | 修正の反映 | 翻訳会社 | 1 | |
| 11 | 最終チェック | 発注者 | ||
| 12 | 最終納品物作成 | 翻訳会社 | 1 | |
| 13 | 検品・検収 | 発注者 |
したがって、翻訳会社側で必要となる7営業日に、お客様側の工程(翻訳チェック、レイアウトチェック、最終チェック、検品・検収)の日数を加算したものが、全体のおおまかな日数となります。
翻訳を依頼するかどうかまだ決まっていないけれども、どれくらいの期間がかかるか知りたいという場合も、翻訳会社にお問い合わせください。だいたいの情報からでも概算の所要日数をお伝えすることができます。