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翻訳メモリはいつ作成するのがいいのか、どうやって作成するのか

過去に翻訳を単発で発注してきたお客様は、原文のファイルと翻訳したファイルは持っていても、翻訳メモリ(Translation Memory、TM)は持っていないという場合もあるかと思います。


別の記事(「翻訳メモリとは?」「翻訳メモリのマッチ率とは」など)でご紹介したように、翻訳メモリ(TM)は、作業や管理の効率を高めたり、翻訳コストを抑えたりするのに役立ちます。TMは持っていないが、今後翻訳を発注するときに過去のデータを利用したいとお考えの場合はTMを作成することをおすすめします。

今回の記事では、TMを作ったことがない方向けにTMの作成を依頼するタイミングと、翻訳会社はどのようにしてTMを作っているのかをご紹介します。なお、TMの作成はご自身で行うこともできますが、基本的には翻訳会社に依頼するのがおすすめです。この理由についても、後ほどご説明します。

TMを作成するタイミング

TMを作成するタイミングは、既存の翻訳データがあるかどうかによって変わります。

1)既存の翻訳データがある場合


冒頭の例のように、過去の原文ファイルと訳文ファイルを持っている場合は、翻訳の見積を依頼するとき、または翻訳を発注するときにそれらのファイルを翻訳会社に渡し、そこからTMの作成を依頼して、その翻訳データを活用することができます。

20161024_37_hira_img_A.png2)既存の翻訳データがない場合

過去の翻訳データを持っていない場合は、翻訳を発注する際に今回の翻訳のデータでTMを作成するよう依頼しておきましょう。今回作成したTMは、次回の翻訳から活用できます。

20161024_37_hira_img_B.png翻訳会社ではどのようにしてTMを作っているか

次に、翻訳会社では、どのようにしてTMを作っているのかをご紹介します。

TMは、原文と訳文がセグメント(翻訳単位)ごとにペアになっている必要があります。

お客様からご提供いただいた原文と訳文のファイルを元に翻訳会社がTMを作る場合、このペアをツールと手作業で作成します。翻訳支援ツールに両方のファイルを読み込み、整合機能を使って原文と訳文を1セグメントずつペアにしていきます。この整合作業は、Align(アライン)作業とも呼ばれます。

翻訳支援ツールを使用して翻訳した場合は、翻訳の時点で原文と訳文がペアになっているので、翻訳およびレビューが完了したバイリンガルファイルの最終版を読み込むだけでTMを作ることができます。

詳しくは、また別の記事でご紹介します。

翻訳会社に依頼せずにできないの?

お客様が翻訳支援ツールをお持ちの場合、お客様自身で作成することも可能です。

ただし、整合作業は翻訳支援ツールのセグメンテーションに関する知識が必要になりますし、時間も集中力も必要です。ミスがあった場合は次回の翻訳時に大きな問題が発生することもあるので、特別な事情がない限りは翻訳会社に依頼する方が安心ですし、効率も良いでしょう。

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