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発注者が翻訳をチェックする際に重視すべきポイント

翻訳サービスの標準フローなどの記事でも紹介しているとおり、翻訳が納品されると、発注者には受け取った翻訳をチェックすることが期待されていますが、具体的には何をどうチェックすればいいのかと思われるかもしれません。

この記事では、翻訳会社の立場からここはよく見てもらいたいと考えるポイントを紹介します。翻訳会社からよく質問されるポイントでもあるので、発注前・発注時の情報提供の参考にもなるでしょう。 

1. 組織内で使われる用語

product managementの訳は「プロダクトマネジメント」でしょうか、それとも「製品管理」でしょうか。答えはもちろん、ケースバイケースです。同じ組織のなかで両方が使われているということもあるかもしれません。翻訳者はたぶんこうだろうという推測をして訳しますが、正解を決めるのは発注者です。

翻訳メモリや用語集が充実していても、そこに含まれていない組織内の用語が使われることは珍しくありません。特定の組織や業界のなかでは当たり前に使われている言葉でも、外部の人間にはわかりようがないものも多いので、重点的にチェックしていただきたいところです。 

2. 重視しているメッセージ

企業として伝えたいメッセージや、製品またはサービスで特に重視している点などについては、ときには原文から少し離れた訳にしたいこともあるでしょう。しかし翻訳者がいきなりそういった訳文にしてくることは考えにくいので、ここではこの点を重視したい、とフィードバックしてみてください。

翻訳の現場では、同じような文書を訳す場合でも、発注者ごとに言葉遣いを大幅に変えることもあります。発注者に応じた言葉遣い・言葉選びができるようになるのも継続した関係がもたらすメリット1つといえるでしょう。 

3. 専門的知識

翻訳会社は分野に応じて専門知識を持つ翻訳者を割り当てていますが、それでも読解や理解が難しいところはあるものです。

受け取った訳文のなかに、これで正しいのかと疑問に思うところがあったら、発注者の組織内で確認してもらえるのが理想的ですが、そうできない場合は翻訳会社に確認を求めることもできます。

わざわざ原文と照らし合わせなくても、慣れた分野の文書であれば、訳文だけでも不審な点は目につきやすいものです。一度は訳文全体に目を通すようにしてください。 

まとめ

今回は、発注者が訳文を受け取ったときのチェックで重視していただきたいポイントについて説明しました。冒頭でも触れたとおり、これらの情報を翻訳開始前~初期段階に提供しておくと、訳文が納品されたときのチェックが楽になるだけでなく、翻訳中の確認のやり取りも減らすことができます。結果として、担当者の手間や負担を軽くすることができるのです。

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