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翻訳が済んだところの原文が更新された!日本語版も更新したいけどどうすればいい?

更新された原文ファイルのどこが変わったのかを逐一特定しなくても、翻訳メモリを活用すれば、簡単に翻訳ファイルを更新することができます。翻訳メモリについては、こちらの記事もごらんください。

原文ファイルが更新されたら

「A」という原文の文書を「あ」という文書にすでに翻訳してある状態で、「A」が更新されて「A′」になった場合、「あ′」を効率よく作成するには、どうしたらいいでしょうか。

「A′」のファイルに変更履歴が設定されていれば、ここがこう変わりました、と翻訳会社に知らせることができます。変更履歴がなくても、diff(差分取得)ツールと呼ばれる種類のソフトウェアやサービスを使用して、変更された箇所を明らかにできる場合もあります。

これらの手段がうまくいかない場合や、そんなことをしている暇がないという場合も、「あ」を翻訳したときの翻訳メモリがあれば、簡単に対応することができます。どうすればいいかというと、ただ「A′」のファイルと、既存の翻訳メモリを翻訳会社に送るだけです。

では、これらを受け取った翻訳会社は、どのように対応するのでしょうか。

翻訳会社の対応

更新された文書「A′」を受け取った翻訳会社は、翻訳支援ツールで、「A′」と、提供された翻訳メモリを読み込みます。すると、翻訳支援ツールが「A′」と翻訳メモリの内容を比較して、変更された量がどの程度かを数字で示します。それが絶対的な数字というわけではありませんが、1,000ワードの文書で、翻訳が必要なのは 200ワードくらいで、そのうち100ワードくらいは文の一部が変更されただけ、など、この時点でだいたいの作業量がわかります。翻訳会社は、この情報を元に、費用の見積りを算出したり、翻訳のスケジュールを決めたりします。

次に、「A′」と翻訳メモリを受け取った翻訳者がどのように翻訳をするのかを説明します。

翻訳者の作業

このケースを翻訳者の立場からみると、全体で1,000ワードのファイルで、800ワードは100%マッチ(変更なし)、100ワードはファジーマッチ(一部変更)、100ワードは新規翻訳、ということになります。

翻訳支援ツールを開いて作業を進めていくと、100%マッチのところや、ファジーマッチのところには、自動的または半自動的に、翻訳メモリから訳文の候補が入力されます。翻訳者はそれを足がかりに、必要に応じて修正を加えて「あ′」を作成していきます。

こうすることで、作業にかかる時間を節約したり、用語や文章のばらつきを防いだりすることができます。

単純な更新以外の場合にも

たとえば、Webページがリニューアルされて、コンテンツの出現順序が入れ替わっていると、diffツールで差分を検出するのは難しくなります。そのような場合でも、翻訳メモリは1文ごとに過去の訳文との類似性を検討するので、似た文をうまくさがしてくることができ、無駄な作業を減らしたり、繰り返しになる作業の手間を省いたりすることができます。

全体的な見た目は大きく変わったけれども文章は似たところが残っている場合や、前回はWordで今回はHTMLというようにファイル形式が変わった場合などは、文書を比較する手間をかけずにそのまま翻訳メモリを活用するといいでしょう。

依頼した時点では気が付いていなくても、翻訳メモリを使用して解析してみると、過去に翻訳した文書が流用されていることがわかる場合もあります。その場合は、新規に翻訳するよりも翻訳料金を抑えることができるかもしれません。

ご紹介したとおり、翻訳メモリは、「ファイル」という概念に縛られることなく、文章の流用や更新の際に威力を発揮します。翻訳メモリについて詳しいことを知りたくなったら、ぜひ翻訳会社に問い合わせてみてください。

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