翻訳を依頼したら納品物を受け取って完了...と思っていませんか?実は、契約内容に応じて、納品後にもご利用いただけるサービスがあるんです。
どのようなサービスが料金に含まれていて、どこからが追加で費用がかかるのかは、翻訳会社や契約内容によって異なります。この記事を参考にして、契約前に、どのようなサービスを希望しているのかを翻訳会社に伝えてください。
翻訳会社が提供する「納品後のサービス」にはどのようなものがあるのでしょうか。
この記事では、次の3つをご紹介します。
-----------------------------------------------------------------
1. 修正依頼への対応
2. TMの作成 / 更新
3. 用語集・スタイルガイドの作成 / メンテナンス
-----------------------------------------------------------------
1. 修正依頼への対応
納品された訳文をお客様が確認して、修正したいところを見つけた場合は、翻訳会社に修正を依頼することができます。修正を希望する箇所と、どのように変更するかをまとめて伝えましょう。どのような形で伝えるのがよいか分からない場合は、翻訳会社に質問すると書き方の例を示してくれます。訳語の変更、言い回しの訂正、(DTPがある場合は)レイアウトの微調整など、さまざまなことに対応できます。
翻訳済みファイルを受領したときに翻訳会社から申し送りが添えられていた場合は、それも活用しましょう。申し送りに対するフィードバックの方法については、「翻訳会社への「フィードバック」、していますか?」で説明しています。あわせてご覧ください。
納品後の修正はお客様で行うことももちろん可能ですが、担当者の負担を軽減し、全体の修正漏れをなくすためにも、翻訳会社に依頼することをお勧めします。
2. TMの作成 / 更新
TMとはTranslation Memory (翻訳メモリ) のことで、原文と訳文が対になったデータベースです。TMの作成と更新は翻訳会社が行い、お客様はそのデータを受け取って保管します。TMを持っていると、次回以降の翻訳依頼時に費用を抑えたり、訳文が出来上がるまでの時間を短くしたりすることができます。IT翻訳の場合、ほとんどの翻訳会社はTMを活用したソリューションを提供しているため、TMを用意しておくと、どの翻訳会社に依頼する場合にも役立ちます。将来 同じ翻訳会社に続けて発注するかどうかが決まっていなくても、最終的な訳文を受け取ったあとにTMの作成・更新を依頼することをおすすめします。
3. 用語集・スタイルガイドの作成 / メンテナンス
お客様から用語集やスタイルガイドを提供していただいたプロジェクトでは、新しい用語の追加、表記規則の改訂、新しいルールの追加などを行って、メンテナンスすることができます。最新情報を反映しておくことで、以降の依頼の際に用語などの確認のために翻訳会社と何度もやり取りする手間を省くことができます。
用語集やスタイルガイドをお持ちではないお客様は、新規に作成することをおすすめします。よく使われる用語のほかに、特徴的な言い回しやスタイルをまとめておくと、翻訳だけではなく、社内で関連文書を作成するときにも役立ちます。また、自社の製品サイトに用語集ページを作るときにも活用できたりします。
このように、TM、用語集、スタイルガイドは、最新の状態のものを用意しておくと役に立ちます。これらの資料をお持ちでしたら、翻訳を依頼するときに、ぜひメンテナンスも依頼しましょう。(「情報が翻訳の品質をよくする」もあわせてご覧ください。)
以上が納品後にご利用いただける主なサービスです。
冒頭でもお伝えしたとおり、どれが料金に含まれていて、どれが追加料金になるのかは、翻訳会社や契約内容によって異なります。問い合わせや見積り依頼のときに、TMのメンテナンスまで依頼したいとか、用語集の作成を希望するなど、関心のあるサービスについても翻訳会社に伝えましょう。